ノーサレンダー

 

 今日は1日休みだった。

 ずっと気になっていた映画をアマゾンプライムビデオで観た。開け放した窓の前でボケーッと観ていると、風が入ってきてとても気持ち良くなった。このまま死んでしまっても良いかもなあと思った。それくらい幸せというものを感じていた。

 その幸せな気分のまま夕飯を食べようとしていたのに、母親が今日は作る気がないと言って譲らなかった。そのせいで家庭が少しピリついた。こちらが珍しく幸福を感じているときにそんな振る舞いは無いだろう、という思いを押し殺しつつ袋麺を作って食べた。

 こういうとき、無性に一人暮らしの生活に戻りたくなる。自由で誰も干渉する人がいない生活に。ただ、ここで問題なのは、一人暮らしをすると精神が再びボロボロになる可能性が非常に高いことだ。まさに「僕の部屋は僕を守るけど 僕をひとりぼっちにもする」のだ。

 少なくとも向こう1年間はこの家で暮らすことになる。やりきれない思いを抱えつつ、家族という他人と生活を共にする。まあ、今日のところは袋麺が美味かったのでよしとする。

 

以上